Preface: A sung song, when was it? 


かみさまのふね
かみさまのふね

わたしをつれていって

はるか彼方はての地まで

わたしをつれていって

かみさまのふね
かみさまのふね


歌声が聞こえた。澄んだ美しい歌声。
壊れかけの少女が唄ううた。
それを美しいと思う自分も、あるいは壊れているのかもしれない。
ぼんやりとそんなことを考える。
少女の影と、別の何かのどこか禍々しさを覚える影が砂礫の上で混じりあって揺れていた。